2024年3月8日金曜日

六角スペーサーの罠

 これは私が昔やらかした実話です。

皆さんもオス―メスタイプの六角スペーサーを使う機会は多いと思います。








 

試作等、溶接加工済みのケースが用意できるまではお世話に事が多いです。


さてこの形状の六角スペーサーですが、
実は要注意点があるのはご存じでしょうか?

それは雄ネジ部分。

多分、一般的に想像される雄ネジ部の形状は以下のようなものかと。







 

 

上図の様にネジが根元まで切ってある、と考えがちだと思います。

しかしこれ、金属加工を生業にされている方なら、
そんなん実際には有り得ないだろ、とすぐに気づくはず。

実際この通りに加工しようとしたらちょっとした特殊加工になってしまい、
とても量産品にはできないのです。

では実際に流通している製品はどうなっているかと言いますと、
以下の2種類が存在します。

 

1、近辺までネジ加工タイプ







 

 

ネジ切り加工の刃がわずか手前までで加工を終えています。
この寸法はサイズとメーカーにより異なり、最低でも0.5mm以上あります。

実はこのタイプが要注意でして、平板にタップ穴加工を施し、
そこにこの六角スペーサーをネジ込むと・・・・・・
ネジが切られていない部分で止まってしまうわけですね。

真鍮製のM3サイズくらいの六角スペーサーだった場合、
あれ?何か固いかな?とか思って少し力を入れると、
雄ネジ部が根元からポッキリ!!という事態になります。
というか、私がやらかしました(笑)

ネジ無し部を避けられるように平板のタップ穴に皿もみ加工を施す、
なんていう逃げ方もありますが、薄板の場合は強度の問題が発生します。

いずれにせよ、ネジ無し部の長さを確認の上、使用するのが大事なポイントです。


2、段付き加工タイプ

これは上記のタイプの問題点を考慮した製品です。









この様に根元の部分を細く削ってある代物です。

これならば平板のタップ穴と干渉することはありません。
しかし加工工数が増えるので当然単価は上がります。
その為か製造しているメーカーも少ないようです。

ですので、大々的に採用するのは ちょっと辛いのも事実。

うまく使い分けるのかベターでしょう。

2024年3月4日月曜日

DMMのマーケットプレイスでの要注意点

 DMMさんは沢山のサービスを行っておりますが、
その中でFANZAという名称の通販サービスを存在します。

このFANZAは単なる通販のみならず、
マーケットプレイスという出品サービスも存在します。
ユーザーが任意の価格で商品を出品し、FANZA内で販売できるというもの。
早い話がFANZAが運営するフリマという感じです。

割とお手軽な感じが有りまして、初期イメージは悪くないのですが、
実は結構やっかいな問題点が隠れていました。

まず1つ目

「FANZAで取り扱いのある商品しか出品できない」

これは、FANZAと全く無縁商品は出品できないという意味ではありません。
マーケットプレイスに出品しようとする時点で、
FANZAの商品検索にて見つかる物しか出品出来ないのです。

ところが、FANZAの扱い商品というのは、
古くなると検索出来なくなってしまう場合があるのです。

つまり、昔FANZAにて購入し、大事に保管してあったものの、
諸事情からマーケットプレイスにて処分しようとした際、
出品できないという事が起こり得るのです。

実際私もつい最近、複数の商品を出品しようとしたものの、
ほとんどの物が出品できなかったという目に遭いました。

10年~20年スパンの話ならば 仕方ないとも思えますが、
わずか数年の話です。

そもそもFANZA内でDMM側からまだその商品が販売されているのならば、
割高になるであろうマーケットプレイス品を購入する人は皆無でしょう。
DMM側からの販売が終了した後、少し経つとマーケットプレイスも
出品不可になるのであれば、FANZAのマーケットプレイスは
実用性がかなり低いと言わざるを得ません。

FANZAのマーケットプレイスを利用しようという際は、
この点を理解しておく必要があります。


つぎに2つ目

「マーケットプレイスの出品者登録は削除不可」

DMMは通販サイトですから利用するには当然ながらDMMの会員登録が必要です。
マーケットプレイスから商品を購入するだけならば ここまででOKです。

ところがマーケットプレイスに出品しようとする場合、
DMMの会員登録に加え、出品者登録も必要となります。
これには銀行口座等、更に踏み込んだ内容が必要なります。

マーケットプレイスへの出品を考慮し、出品者登録を行ったものの、
諸事情で出品を取り止めることにした場合、
個人情報保護の観点から出品者登録を削除したいところです。

ところがこれがこれは不可能なのです。
もしどうしても削除したい場合はDMMアカウントごと削除する必要があります。

ですので出品者登録は よく検討してから行いましょう。


2024年2月5日月曜日

ジョイスティックケーブルのチェッカー完成

 X68000やMSXと言った一昔前のパソコンでは
アタリ規格をベースにしたジョイステックポートが使われていました。
現在はUSBポートに取って代わられているので全く使われていませんが。

上記のような旧機種向けのアクセサリーを製作しようとすると、
モールド加工済みのジョイスティックケーブルが欲しくなります。

もちろんこのケーブルは ほぼ需要が無くなってしまったので、
国内で製造しているところは皆無かと。
ところが中国だと まだ入手可能なんですね。

そんなわけで中国製造のケーブルを仕入れるのが順当な選択肢になるわけですが、
もちろん難点もありまして、以下のような要注意点があります。

1、全ピン結線されているとは限らない
2、品質保証が甘いので断線等の不良も有り得る
3、各ピンと電線の結線資料が存在しない

とまぁ、真っ当なメーカー品であれば 起こり得ないような話が出てくるのです。


そこで自作したのが、今回の主題であるケーブルチェッカー

単に各ピン毎に導通を見るだけの代物なので、
簡易的にはテスターで代用することも可能ですが、
本数が多くなるとちょっと面倒な作業になってしまいます。

以下が実際の作業中の写真。








 

 

ジョイスティックケーブルを左側のコネクターに差し、
逆端の電線を1本ずつテストピンに接触させると、
コネクターのピンに対応したLEDが点灯するというもの。

どのLEDも点灯しなければ断線していると判定になりますし、
複数のLEDが点灯した場合は どこかで短絡している事に。

このチェッカーの電源は5Vで、上側のDCジャックに供給します。
秋月電子等で売ってるACアダプターでも問題ありません。

ターゲットを割り切ってる分、汎用性は低いのですが、
使い勝手は悪くない感じです。

需要はほとんど無いと思われるので同人ハードとして頒布の予定はありませんが、
まだ未実装基板が余っているので、 欲しい方にはお分けも可能ですので
メールにて問い合わせください。
(プロフィール欄からメール連絡が可能です)

 

2024/2/8 追記

参考用に回路図も掲載いたします。
この通り、非常に単純なものです。



2024年1月20日土曜日

圧着端子用のマークチューブ

 盤内配線等で、裸圧着端子と線番印刷済みのマークチューブを組み合わせて
使用されてる方が多いと思います。

使用する電線の種類によっては、
マークチューブが被せる際の作業性に難を感じた方はいらっしゃいませんか?

私も以前から気になっていたのですが、今回改めて調べてみたところ、
UL1015規格の電線を使用する際、問題になると気づきました。

UL1015規格の電線は耐圧600Vの耐熱電線ですので、
JIS規格品ですとHKIV線が相当します。
しかしHKIV線を使用する際には作業性の問題は感じてませんでした。

この差は何かと言いますと、ズバリ電線外径です。

2スケアの電線で比較してみると以下の通り。
  HKIV      外径3.4mm位
  UL1015  外径3.6mm位

通常、2スケア用に使われるマークチューブの内径は3.6mmです。
つまりUL1015だと隙間が無い状態なのです。
どおりで作業性が悪いわけですね。

ちなみに1.25スケア線でも比較してみると、
  HKIV   外径3.1mm位
  UL1015  外径3.2mm位

1.25スケア用のマークチューブ内径は3.2mmですから、
やはりUL1015だと隙間が無いですね。


隙間が無いと電線上をマークチューブが滑らないので、とても手間がかかります。
対策はマークチューブのサイズアップしかありません。

「内径3.6mmの上は内径4.2mmになってしまうやろ」と、
思われる方もいらっしゃるかと。
内径4.2mmは3.5スケア電線用なので、2スケア線には太すぎかも。
しかし実はその間のサイズというのが存在しているのです。

メーカーは限られますが、内径3.8mmや内径4.0mmという物が有ります。
これらを使用すれば問題解決です。

なお、圧着端子に対してですが、2スケア用の圧着端子は外径約4.2mmです。
ですので留まらずに抜け落ちる心配は少ないかと。


他の選択肢としては扁平型チューブを使うという方法が有ります。
一般的なチューブは断面が まん丸ですが、
扁平型チューブでは断面が潰れた丸になっています。
その為、チューブサイズに対して小さめの電線や圧着端子を
使用してもホールドされるんですね。

これは製造しているメーカーが限られてしまうので、
単価と入手性の点では劣るかと思いますが、汎用性の点で便利なので、
知っておくと良い製品でしょう。


余談ですが、内部形状を工夫することで、大きめのチューブサイズでも
ホールドされるという製品として「ピタットチューブ」という物があります。
メーカーさんも拡販に力を入れてる様なので、目にする機会も増えてきました。
しかし要注意なのは、この製品、レタツインでは使用不可です。

従って専用のマーカー印刷機が必要となる点に留意が必要です。


2024/1/21  追記
発注してたチューブ2種類が到着。
1つは内径4.0mmの円型チューブで、
もう1つは最大内径4.2mmの楕円形チューブです。
参考までにこの楕円形チューブの型番はRBT-4268です。

これらを、UL1015 AWG#14線に2スケアの端子を圧着した物へ付けてみました。
結果としては内径4.0mmの円型チューブがジャストフィット。
楕円形チューブの方は一応ホールドされるものの、ちょっと緩いという感じ。
常用するなら内径4.0mmのチューブがベターという結論です。

通常、2スケアの端子用としては内径3.6mmのチューブが使用されますが、
私の感覚としては 端子に対してチューブが細すぎでした。
その為、装着時に力が必要で、特に気温が低いと作業性が悪かったのです。
それに比べると内径4.0mmのチューブは作業性が良く、
低気温時でも さほど問題無いと思われます。
2スケア用としては内径4.0mmのチューブの方が向いてると判断します。

2024年1月7日日曜日

登録メアドを訂正しました

このブログでは、私の詳細プロフィール画面内から、
私に対してメールを送る事が出来る様になっているのですが、
登録しているメールアドレスが古いままでした。

その為、メール送付が機能しない状態になっておりましたが、
先程気づいて修正いたしました。

申し訳ございませんでした。

喫茶フラミンゴ

 これは一部の方向けの内容です。

札幌の南1西20に「喫茶フラミンゴ」というお店が在りました。

もうかなり前に閉店してしまったのですが、
私が長年、常連としてお世話になっていた とても思い入れのあるお店です。

 

月日の経つのは早いもので、フラミンゴを経営していたS荒夫妻が
お二人ともお亡くなりになりました。

大々的に何かを執り行う予定はございませんが、
ご縁のある方のお耳に届けば幸いと、デジタル魚拓のつもりで
ここに記載する事にした次第です。

これをご覧になり、詳細が気になる方は私まで連絡ください。
また、X上でも情報交換を行っております。

2023年12月30日土曜日

LP-168S用電源ユニットの製作 その5

 さてそろそろ詰めの段階に入ることにします。

前回の時点では省略していた各部のビスを追加。
するとこんな感じに。




ビス追加






そして、前段階では未定だったACコードのブッシュを確定させることに。

一番最初の時点ではACコードを挟んで留めるだけのクランプを使用する予定でしたが、
途中からパネルを貫通するタイプのコードブッシュへ変更したという流れでした。

貫通型のコードブッシュは かなりの種類が存在します。
大きく2種類に分けると、
 1.ブッシュがコードを固定するタイプ
 2.コードはスルーのタイプ
になります。

前者はACコードの引っ張りや捻じれ等の外力をコードブッシュが受け止めます。
一例としてはサトーパーツのBU-3270シリーズです。
見た目はカッコいいのですが、取付がちょっと面倒な点が難点かと。

後者は貫通穴のエッジからACコードを保護するだけです。
ACコードの固定は別な方法が必要となりますが、
ブッシュ部分についてのみ見るなら扱いは楽です。
一例としてはサトーパーツのBU-687シリーズが在ります。
他には自在ブッシュもこれに含まれますね。

今回の電源ユニットでは後者のブッシュを使うつもりでいたので、
選定を後回しにしておりました。
選択肢が豊富で、どうにでもなると考えていたからなのです。
しかし、実はこれが失敗で、ちょっと厄介だったのです。

使用するACコードは秋月電子のSH-015です。
0.75スケアのVFF線なので、至って平凡な代物です。
断面は扁平で、長手方向は約5.5mmというサイズです。

ですので、φ5.5~φ6くらいの開口穴が有ればいいわけですが、
そのサイズを基に手持ちのブッシュを見てみると、
ゴムブッシュのBU-687-Bか、プラスチックブッシュのBU-4796-Aしかありません。

ではゴムブッシュにしようかと思いきや、BU-687-Bの対応板厚はt1.0以下!!
今回の設計はt2.0ですから使えません。

ゴムブッシュがダメとなると、あとはプラスチックブッシュしかないわけですが、
BU-4796-Aの対応板厚はt1.5以下!!!
2種類ともダメじゃないですか。 orz

新たなブッシュを捜索するのも手ですが、
これ以上在庫の品種を増やすのは ちょっと抵抗を感じるので、
板金の板厚を変更する事にします。

ゴムブッシュを使用するにはt1.0まで薄くする必要がありますが、
t2.0からt1.0への変更は かなりの強度ダウンです。
meviyでは鉄もアルミもステンも揃っていますが、
スピーカーの振動を受ける事も考慮すると ここまで薄くしたくありません。
ということでゴムブッシュの選択は除外します。

するとプラスチックブッシュ一択ということになりまして、
t1.5の素材まで選べることになりました。
この場合ですと、t1.5のアルミかステンと、t1.2の鉄が選択肢になります。

さすがにアルミは強度に不安を感じるので無しとすると、
t1.5のステンかt1.2の鉄の2択。
ステンは塗装やメッキが出来ないので無垢。
鉄ならどちらも可能です。
これは案外悩みどころでして、ちょっと決めかねてしまいました。
とりあえず、2種類の板金を設計しておき、後で最終決定することにします。
(ちなみに価格的には大差ありません。)

板厚がt2.0を切ったことで、皿もみ加工が不可となりましたが、
数段階前で皿もみ加工を無くしたので全く問題ありません。
皿もみが使えない代わりにバーリング加工が使えるようになりましたので、
タップ穴には全て、バーリング加工を追加することにします。

ということで、現段階では以下のような感じに。